退屈と暇と気持ち

 


先週のオンラインゼミでは、今自分は暇なのか退屈なのか考え話し合ってみるということをしました。

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☆退屈と暇

外せない予定などが特になく、コロナの影響で通学の時間がなく自由な時間が多いので時間を作ろうと思えばできるから暇なのかな、でも色々してたらすぐ1日過ぎるし退屈はしていないな と思い私は表の中の②を選びました。私は大体みんな②かなとか思っていたので③が多かったことに驚きました。②と③の違いは何なのだろうと話し合ってみると暇に感情が含まれるかそうでないかの違いなのではということになりました。時間はあるが予定は特にない今の状況のみを考えて暇であると判断した②の人に比べ、③の人は退屈しておらず充実している、暇は充実してないように感じてしまうから③だと気持ちも含めて位置づけていたようでした。

暇と退屈は似ている 確かに退屈を考えると気持ちも無視できない そしてたいていマイナスの感情のようだ でも暇は?気持ちは関係する?それはマイナスだけ? というような暇に対する疑問が残りました。

 

☆歌詞の中の退屈と暇

最近ドライヤーで髪を乾かしているときに歌詞を見ながら歌うというマイブームが再来しているのですが、ちょうど歌っていた歌詞の中に暇を見つけました。

「あの子は竜に逢う」という曲で

"DQNネームのせいで友だちがひとりもいないから暇なんだ"というフレーズがあります。(なかなか変わった歌詞ですがくせになる可愛い曲なんです。)その後サビには"つまらない毎日 くだらない自分"というマイナスのフレーズがあります。しかし最後は"僕が生きた毎日 面白いとは言い難いけれど それでもやっぱり 大事なんだよな"とプラスととれるようなフレーズで終わります。

暇の部分は退屈にも置き換えられそうです。

なんか他にも暇や退屈と言ってる曲聞いてるかもと思い探してみました。

すると見つかりました!「放課後せれな~で」という曲です。

最初の退屈フレーズは"本当も嘘も全部放課後退屈しのぎのひとつだから"でした。マイナスっぽいでしょうか。次は"振り出し戻るサイコロふって退屈は続いていく"です。マイナスですね。そして"いつまでたっても未完成 スゴロクみたいな人生 退屈という名のモンスター"と続きます。モンスターにまでなってますね。最後は"全然まだ楽しくないから 早くどこか連れ去ってよ きみとのゲームは続いていく"で終わります。退屈じゃなくゲームとなっていますが、どちらかといえばマイナス?ですかね。こちらは退屈のところを暇にしてしまうとなんか違いそうです。

 

 

2つだけではいまいち暇と退屈の感情の違いがつかめなかったのでもう少し探してみることにしました。自分の聞いている曲に退屈・暇を含むものは探せばまだ見つかりそうですが、探す気力はなかったので退屈 歌詞、暇 歌詞で検索してみました。するとダイレクトに「退屈」というタイトルの曲が2つと、「ヒマの過ごし方」という曲がヒットしました。

 

odolさんの「退屈」は歌詞に退屈は入っていませんでしたがとても暗い歌詞でした。

"大体同じような景色ばかりだ" "まだあのころから消えない" 最後は"そうだね今日だけ思い出そう"で終わります。何があったのか気になりますね。

もう1つの「退屈」は橘いづみさんという方の曲でした。これまたネガティブな感じでした。最初から"ギターの弦がパシッと切れた"で始まり "私の退屈だれかもらって"で1番が終わります。途中"曇りのち晴れ光を浴びよう"という明るいフレーズもありますが、"殺虫剤はきれてしまった 元気の出るものどこにあるのか"と続き、最後は"退屈退屈退屈退屈 私の退屈だれかもらって"で終わります。こちらも「放課後せれな~で」同様自分じゃどうにもならないくらい退屈しているみたいです。

2つともやはりマイナスが強くて暇に置き換えることはできなさそうです。

 

暇のほうの歌詞はどうでしょうか。

「ヒマの過ごし方」を見てみると"そもそもヒマって言葉自体まずいい意味では使われない"とあります。暇の曲もやはりマイナスなのでしょうか?さらに見ていくと"ぼくはぼくのヒマを過ごしていた"というフレーズがありました。自分なりのヒマがあるのだという主張、また暇をつぶすではなく過ごすと書いているということはマイナスとしてとらえたくないということでしょうか?また"こわいのはただただある時間" "ヒマとゆとりをもって過ごそう"   "人の数だけヒマはあるのだ" "それこそあたりまえのことなのだ" とありました。何もすることがないとヒマは同義ではなく、人それぞれヒマの過ごし方があるのだ と時間的余裕だけでなく暇を肯定的にとらえているようでした。私はこういうヒマのとらえ方もいいかもしれない思いました。でもなんでこの歌詞の暇はかたかなで書いてあるのかは分かりませんでした。

 

退屈はマイナスのイメージで問題なさそうですが、暇はプラスのイメージでもよさそうだなと思えてきました。では本来の意味として辞書にはどのように書かれているのでしょうか。

 

☆辞書での退屈と暇の意味

暇            対義語:忙しい

物事と物事の空白の意 

1)時間の余裕・ひま

2)休暇

3)職務をやめること

4)別れてさること

「凪のお暇」というドラマが昨年放送されていて見ていたのですが、まさにこれで、仕事もやめ恋人とも別れ、お暇を使って新しい自分に切り替えていくというものでした。3と4はたいていマイナスでしょうが、やめたり別れたりして新しくする、気持ちを切り替えると考えると必ずしもマイナスではないように思えます。

 

退屈            対義語:熱中

1)することがなくて時間を持て余すさま

2)飽き飽きして嫌気がさすこと

3)疲れていやになること

4)困難にぶつかってしり込みすること

退屈はやはりマイナスイメージでよさそうです。飽き飽きして嫌になる、困難にぶつかりしり込みするという意味を見ると、歌詞の中で退屈を振り出しに戻るゲームやモンスターとたとえてあったり、連れてってや誰かもらってなど他力本願な内容が多かったのも納得です。

 

☆暇はプラス?

辞書での意味通り、やはり退屈を考える時にはマイナスの感情がついてきそうですが、暇を考える時は時間的判断だけでもいいのかなと思います。そして暇に気持ちを入れるとしたら必ずしもマイナスではなく自分で自由にとらえていいのかなと思います。

表を見ながら暇かどうか考えたときは時間的余裕だけで考えたのですが、普段暇という言葉を使うときは(残念ながら)暇だよ~みたいなニュアンスで使っているなと思いました。相手からマイナスにみられると思っているからそんな使い方をしているのか、自分でも暇をマイナスに思っているのかははっきりしないのですが、自分で思う分は暇も悪いものじゃないんだとプラスに考えてもいいのかなと思います。そして、そのほうが余裕・空白の時間を自分で満足に使ったんだ、過ごしたんだという気持ちになるのかなと思いました。